普段何気なく使っている石鹸ですが、”どういう仕組みで汚れが落ちているのか”と不思議に思ったことはありませんか？実は石鹸に限らず、あらゆる洗浄成分を持つ物質には共通の性質があります。そこでこの記事ではそんな石鹸の性質と、汚れが落ちる仕組みについて詳しく解説します。

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石鹸で汚れが落ちる理由

服が汚れたときや手を洗うときなど、私達の生活に石鹸は欠かせません。そんな石鹸ですが、どうしてこんなにも綺麗に汚れを落としてくれるのでしょうか？その秘密は界面活性剤にあります。石鹸以外にもシャンプーやボディソープなど洗浄成分があるものには界面活性剤が含まれていて、この成分の働きによって頑固な汚れも綺麗に落とすことができるのです。

洗浄に欠かせない界面活性剤

界面活性剤はこびりついた汚れを落とすために必要な成分で、様々な性質があるため実は種類がたくさんあります。まず、イオンの種類が「陰イオン」と「陽イオン」に分かれ、どちらにも属さない「非イオン」や両方の特性を持ったものもあります。界面活性剤の役割は油汚れと水の境目である「界面」を活性化させることで油と水分が混ざることを促し、汚れを落とします。そのため、「落としたい汚れ」によって最適な界面活性剤をを含んだ製品が製造販売されています。

石鹸に使われているのはアニオン界面活性剤

石鹸や洗濯洗剤に使われるのはアニオン界面活性剤です。これは陰イオンの界面活性剤で洗浄力が高く泡立ちが良いのが特徴です。しっかり汚れを落としながらも、肌に優しいためシャンプーや合成洗剤など日常的に触れることがある洗浄剤に幅広く使用されています。

汚れが落ちる仕組み

ここでは石鹸で汚れが落ちる仕組みについて解説します。

汚れには界面表力が働いている

汚れがついている状態だと水と汚れが交わることはありません。外出先で服を汚し、一生懸命に水でこすったのに汚れが落ちず、がっかりした経験がある方は多いのではないでしょうか。これは生地に水をかけて起こる界面表力よりも、生地と油の間に発生している界面表力の方が優位だからです。ちなみに界面表力とは、物質同士の界面で働く力のことです。

泡が汚れの粒子を吸い取って包む

このような界面表力に働きかけるのが界面活性剤です。水だけで落としきれなかった汚れも、界面活性剤を入れることで洗浄成分が泡となって発生し汚れと結合します。結合した汚れは生地から分離するので、水だけで汚れを落とすよりもはるかに早く簡単に汚れを落とすことができるのです。

石鹸が苦手な成分は2つ

実は石鹸で落としきれない汚れもあります。下記で詳しく解説していきます。

酸性

石鹸はアルカリ性なので酸性との相性が悪いです。酸性と交わることで効力が中和されるので、酢酸やソース類などの酸性汚れを落とすときには使わない方が良いでしょう。

ミネラル

すすぎに使う水に含まれるミネラルに弱い性質もあります。ミネラルに出会うと石鹸カスになり、濃い衣類の色を白くすることがあるので注意が必要です。日本の水道水はミネラル分が多くないので問題ありませんが、もし水道水にミネラルが多く含まれているようであれば気をつけたほうが良いでしょう。

石鹸の使い方3つのポイント

ここでは石鹸での洗浄力を高める使い方について3つ紹介します。

しっかり泡立てる

大前提として石鹸をしっかり泡立てる必要があります。泡立ちが悪いと界面活性剤が上手く機能せず、汚れ落ちが不十分になり衣類や肌を痛める原因にもなります。使う前にはしっかり泡立てることを意識して使いましょう。

酸性の汚れは事前に落としておく

先ほども述べましたが、酸性の汚れに石鹸は弱いです。そのため、落とす汚れに酸性が含まれている場合は事前に落としておくとスムーズに洗うことができます。

水温は20度以上がおすすめ

真冬などの真水で洗い物をしていると汚れが落ちにくいと感じたことはありませんか？実は石鹸の洗浄源である脂肪酸は、20度以下の冷水では効果を発揮することができないのです。そのため、石鹸を使って汚れを落とすときは20度以上の水温を保つようにしましょう。

石鹸の仕組みを知って洗浄力を高めよう

なにげなく使っている石鹸にも弱点があることが分かりました。また、界面活性剤を上手く機能させるための方法もあり日常で取り入れやすいものばかりです。洗浄成分を高めるためにも石鹸の性質や汚れ落ちの仕組みを知り、効果的に汚れを落としましょう。