今、日本ではメンタルヘルスの不調に苦しむ人は多く、生涯のうち心の病にかかる人は5人に1人と言われています。メンタルヘルスケアを効果的に行うためには、そもそもなぜメンタルヘルスに不調が起きたり悪化したりするのか原因を知ることが大切です。そこで今回はメンタルヘルス不調の原因や対策方法をご紹介します。

この記事を読むための時間：3分

メンタルヘルス不調の原因とは？

メンタル不調の原因は大きく2種類あります。それぞれの原因にはどのようなものが挙げられるのか見てみましょう。

外因性の原因

外因性のメンタル不調は主に環境によって引き起こされます。例えば職場では自身の能力を超える業務負荷、昇進や配置転換などによる役割や地位の変化、同僚や上司、部下との人間関係のトラブル、暑い・寒いなど劣悪な職場環境が挙げられます。また、家族や知人とのトラブル、金銭問題、結婚や引っ越しなど生活環境の変化もメンタル不調を引き起こす外因性原因です。

内因性の原因

内因性のメンタル不調の原因は、個人的な感覚です。例えばミスをした際に無気力になったり、達成感が得られなかったりすることで不調が引き起こされます。内因性の原因は外因性と比べるとすぐに解消することが難しく、解消まで時間がかかってしまったり困難であったりすることが特徴です。

メンタルヘルス不調の対策方法

メンタルヘルス不調の対策方法をご紹介します。

原因を特定する

メンタルヘルス不調の原因は一つではなく、様々な要因が複雑に絡み合って起こるケースが多くあります。そして原因別にアプローチの仕方は異なるので、まずは原因をしっかりと見極めることが大切です。

しかし、自身では気付かないうちにストレス要因になっていることもあるので、原因がはっきりしない、思い当たることが多すぎて分からないという場合は、ストレスチェックやカウンセリングを受けるなどして原因を特定しましょう。

ストレスを処理する

メンタルヘルス不調を引き起こしているストレス要因（ストレッサー）が特定できたら、原因に合わせてストレスを処理していきます。ストレス処理には3つの段階があります。それぞれの処理方法を解説します。

1段階目：問題の解決を図る

まずはストレス源そのものの対処を図ります。例えば、職場で苦手な同僚がいてストレスを感じるのであれば、一度じっくり話し合い関係を改善させる、知識のない業務を任されたことがストレスになっているのであれば、勉強して知識をつけて苦手意識を払拭するなどです。

2段階目：認知を変える

問題の解決が難しい場合は、2段階目の認知を変えることを試みてみましょう。認知とは自身にとっての意味付けや受け取り方を指します。例えば、お客様からクレームを受けて落ち込んでしまったという場合は「提供した商品やサービスの改善点を見つけられるきっかけだ」と気付くことができれば、クレームを受けた際の気持ちの持ちようも変わってきます。

3段階目：ストレス反応の軽減を図る

どうしても納得できないことがある場合などは、ストレス反応の軽減、つまりストレス解消行為によって怒りや不安などのマイナスな気持ちを低減しましょう。例えば、周りの人に愚痴や相談を聞いてもらうことが当てはまります。

セルフケアが難しい場合は専門家に助力を求める

メンタルヘルスケアの基本はセルフケアですが、自分でも気が付かないうちに不調が進行してしまい、個人での対処可能なレベルを超えて医療レベルの対応が必要となってしまっている場合があります。もしも以下の症状があれば、医療機関の受診が急がれます。また、メンタルヘルスの原因が内的要因であった場合も個人での解決は難しいため、専門家に助力を求めると良いでしょう。

• 疲れを感じるのになかなか眠れない
• 好きだった趣味などに興味がなくなった、楽しめない

メンタルヘルスの不調は原因に合わせた対策を取ろう

メンタルヘルス不調の原因は大きく「外因性」「内因性」の2つに分けられます。メンタルヘルス不調を感じた際は、まずは原因をしっかりと特定して、原因と自身にあった対策を取ることが大切です。また、もし個人では対応が難しいと感じたのであれば、早急に医療機関や専門家に助力を求めることも重要です。